先日上海ディズニーランドに行った時、ロストリバーデルタ関連のプロップスを見つけたのですが、内容がいろんな意味で興味深かったので、このブログで共有したいと思います。
アドベンチャーアイル

今回このプロップスを見つけたのは、上海ディズニーランドの「アドベンチャーアイル」と呼ばれるエリアです。このエリアについては以前ざっくりとしたストーリーをまとめた記事があるので、興味があればご覧ください。
上海ディズニーの中では最もバックグラウンドストーリーが深く作り込まれたエリアで、私は上海では一番好きなエリアです。多分このブログを読んでいる人なら好き。
このエリアは、アボリという先住民族が暮らす島に、「リーグ・オブ・アドベンチャラーズ(League of Adventurers)」という団体が偶然上陸し、島の謎を探るという感じのストーリーです。
年代はだいたい1935年前後が舞台で、これは東京のロストリバーデルタの時代設定と一致します。つまり、2つのエリアを繋ぐプロップスがあってもストーリー的には矛盾しない、というわけです。
プロップスを和訳していく
これが今回題材となるプロップスです。

見たところ新聞の切り抜きのようですね。私たちにはおなじみの「クリスタルスカルの魔宮」の写真と共に、見出しには「LOST TEMPLE FOUND!(失われた神殿、発見!)」と書かれており、どうやらクリスタルスカルの神殿が発見されたことを伝えるニュース記事のようです。
周りには神殿の写真とクリスタルスカルの壁画の写真も。

では、以下に和訳を見ていきましょう。
FIRST INTERNATIONAL NEWS(第一国際ニュース)
―探検と理解を促進するために発行される週刊誌―
世界各地に配布
1931年7月15日発行
失われた神殿、発見!
LoA、クリスタルスカルの神殿を発見
ペルー クスコ – 数千年もの間隠れていた伝説の「クリスタルスカルの神殿」が、恐れ知らずの冒険家チーム「リーグ・オブ・アドベンチャラーズ(League of Adventurers)」と、有名な考古学者インディアナ・ジョーンズ博士によって発見されました。
リーグ・オブ・アドベンチャラーズは、古代インカ人がなぜ車輪を発明しなかったのかを身をもって痛感することになりました。最新式の全地形型多用途車(All Terrain-Utility-Vehicles)を投入してジャングルを切り進もうとしましたが、それは想像以上に困難でした。
彼らはボロボロの古代の地図を手がかりに地域を徹底的に調査し、有名な考古学者であるインディアナ・ジョーンズ博士と合流。神殿の探索に協力することになりました。ジョーンズ博士は、チームの熱意と専門知識を評価しつつも、自分のやり慣れた調査方法を貫くことにこだわりました。ジョーンズ博士もLoAと同じ古代の地図の断片を所持しており、その情報を組み合わせることで神殿の正確な場所を特定することに成功しました。
神殿の入り口は木々に覆われてほとんど見えない状態でしたが、チームが車で通れるほどの大きさはありました。入り口の壁には「この神殿に眠る精霊を目覚めさせるな」という警告が記されていましたが、その忠告は残念ながら無視されます。
そしてついに、神殿の中心部にある「評議会の間(Council Chamber)」が発見されました。そこには「クリスタルの評議会(Council of Crystal)」が時を超えて存在していました。しかし、チームの誰かが呪われた黄金に手を伸ばしてしまったことで、天井が崩れ始めます。ジョーンズ博士は「早くここから出ろ!」と警告しました。経験豊富な彼の言葉に疑いを抱く者はいませんでした。
これは結構な情報量ですね!
以下で気になるところに1つずつコメントしていきます。
新聞の発行日
発行日は1931年7月15日とあります。東京のロストリバーデルタの時代設定は1930年代でしたので、矛盾ないですね。
神殿発見の経緯
これまではジョーンズ博士単体で神殿を発見したのかと思われていましたが、なんとリーグ・オブ・アドベンチャラーズ(LoA)が関わっていました!LoAは、冒頭で触れた上海ディズニーランドのアドベンチャーアイルに登場する冒険家の団体です。

そして、神殿の発見に「古代の地図」という重要なアイテムが関わっていることも新情報です。ジョーンズ博士とLoAが持っている地図の断片をそれぞれ繋ぐことで初めて神殿への道が開かれるなんて、映画みたいな話ですね。
もちろんこれらは後付け設定です。ロストリバーデルタ内でLoAや古代の地図の話について語っているプロップスは存在しません。
車輪の言い回しについて
「古代インカ人がなぜ車輪を発明しなかったのかを身をもって痛感することになった」という一文は、「車輪があっても、ジャングルなどの地形では移動が非常に大変だった」という皮肉です。最新式の車両を使っても険しい地形のジャングルではその効果を発揮できず、あまり意味がなかったということがわかります。
神殿に眠る精霊

「神殿入り口の壁には『この神殿に眠る精霊を目覚めさせるな』という警告が記されていた」と新聞記事に記載されています。「神殿に眠る精霊」とはもちろんクリスタルスカルのことです。この警告文が本当に東京パークにあったら最高ですが、さすがにそれはなさそう。
評議会の間!?クリスタルの評議会!?
「評議会の間(Council Chamber)」や「クリスタルの評議会(Council of Crystal)」など、初耳の語句たくさん出てきました!
新聞によると、神殿の中心部に「評議会の間(Council Chamber)」と呼ばれる部屋があり、その中に「クリスタルの評議会(Council of Crystal)」と呼ばれる存在があるそうです。これらの名前はアトラクションのストーリーにも登場していないため、一体どの場面に対応するのか、想像が広がります。
「評議会の間」として一つ考えられるのは、アトラクション冒頭のクリスタルスカルが鎮座している部屋です。ただこの部屋には「誘惑の広間」や「苦痛のトンネル」という名前が既にあるようですので(出典元は不明ですが)、ちょっと微妙です。それに、もし新聞で述べているのがクリスタルスカルのいる部屋だとしたら、黄金に触れる触れない以前にクリスタルスカルの怒りを買ってそうです。
もう一つ可能性が高そうなのが、アトラクション中盤の、ミニサイズのクリスタルスカルが髑髏や蝋燭に囲まれている空間です。この空間が「評議会の間」だとしたら、個人的に腑に落ちる点がいくつかあります。
まず「評議会」という名の通り議長と議員がいるとすれば、中央のミニクリスタルスカルが議長で、その周りにいる一般髑髏たちが議員だと解釈することができます。またチームの誰かが呪われた黄金に触れてしまったという点についても、実際にアトラクションではミニクリスタルスカルのシーン周辺で黄金が流れ落ちているような場面があり、このことと関係していると捉えることもできます。
とはいっても、もちろんアトラクションに全く登場しない部屋である可能性も否定できないんですけどね。
ペルー クスコ問題
最後に、この新聞記事の最大の問題点について考えてみましょう。
この新聞記事では、この神殿捜索の地域がペルーのクスコだと記載しています。クスコはペルー南部の都市であり、かつてインカ帝国の首都として栄えたことでも知られています。この新聞記事では車輪のくだりでも古代インカ文明について触れており、どうやらこのクリスタルスカルの神殿がクスコにあるインカ文明の遺跡であることがわかります。
さて、ここで矛盾が生じます。ペルーは南アメリカに属しますが、ロストリバーデルタの公式ストーリー上では、ロストリバーデルタは中央アメリカにあるはずなのです!
これは、公式サイト含め様々な媒体で何度も記載されている基本ストーリーであり、疑いの余地はありません。ロストリバーデルタで放送されているラジオも、クリスタルスカルの神殿のことを「中央アメリカのジャングルで発見した神殿」と明言しています。
また、クリスタルスカルの神殿の造形は、明らかにマヤ文明の遺跡をイメージしており、インカ文明のものではありません。

インカ文明がペルーのクスコを中心に南アメリカで栄えた文明であることと対照的に、マヤ文明は中央アメリカで栄えました。つまり、あの遺跡がペルーのクスコにあるわけがないのです。
これは、このプロップスの文章を書いたイマジニアがロストリバーデルタの場所を誤解しているだけだと思いました。しかしどうやら状況はもっと複雑なようです。
この方が投稿しているのは、「ディズニー マジックキングダムズ」というゲームの1シーンだそうです。なんとこのゲームも、ロストリバーデルタがペルーにあると言及しています。
これは一体どういうことなのでしょうか?
ロストリバーデルタのオリジナルストーリー上ではロストリバーデルタが中央アメリカにあることは間違いありません。しかし、これがペルーにあるとディズニー公式自体がいつの間にか「誤解」をしてしまっているとしか思えません。
映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの4作目『クリスタル・スカルの王国』は、ペルーが舞台でしたので、これが誤解の原因かもしれません。
ほとんどの内容はよくできていて、読んでいて純粋に楽しめました。オープンから20年以上経ったロストリバーデルタのストーリーがこうして思わぬところで拡張されるのは、パークファンにとっては純粋に嬉しいことですね。
ペルー クスコの問題に関しては本当に謎ですが、なにかご存知の方いたら教えてください。
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