現在世界には6つのディズニーリゾートがありますが、その内4つのパークにビッグサンダーマウンテンがあります。
オープン | パーク | アトラクション名 |
---|---|---|
1979年 | カリフォルニア | Big Thunder Mountain Railroad |
1980年 | フロリダ | Big Thunder Mountain Railroad |
1987年 | 東京 | ビッグサンダー・マウンテン |
1992年 | パリ | Big Thunder Mountain |
それぞれのバックストーリーには個性があって結構面白いんですよね。
ということで、この記事ではそれぞれのバックストーリーを徹底的に比較してみようと思います。
基本的なストーリー
まずは全てのビッグサンダーで共通する基本的なストーリーをご紹介します。
1850年代、ゴールドラッシュの時代。
アメリカ西部の鉱山ビッグサンダーマウンテンで金脈が発見された。
鉱山には開拓者たちが押し寄せ、周辺には町が栄えた。
すぐに金の採掘会社「Big Thunder Mining Company(ビッグサンダー マイニングカンパニー)」が設立され、本格的な採掘が開始された。
しかし伝説によれば、この鉱山には何か精霊のような存在が住みついているという。
現に鉱山では怪奇現象が多発していた。
作業員が不気味な音を聞いたり、陥没事故が多発したり、発掘用の機械が故障したり…。
自然災害が起こることもあったという。(バージョンによって自然災害の有無は異なる)
極め付けには、鉱山列車が無人で暴走し始めたのだ!
次第に鉱山は呪われているという噂が立ち始めた。
段々と鉱山には人が寄り付かなくなっていき、町も無人のゴーストタウンとなり果てた。
ゲストはこの無人となったマイニングカンパニー跡地から暴走列車に乗り込む。
これがベースとなる基本的なストーリー。
あとはバージョンによってストーリーが異なります。とりあえず簡単に表でまとめてみました。
バージョン | 鉱山の町 | 自然災害 |
---|---|---|
カリフォルニア版 | Rainbow Ridge | おそらく無し |
フロリダ版 | Tumbleweed | 大洪水 |
東京版 | ? | ? |
パリ版 | Thunder Mesa | 大地震 |
ではそれぞれ個別に紹介していきます。
カリフォルニア版
1979年にオープンした最初のビッグサンダーマウンテン。
アトラクション名は「Big Thunder Mountain Railroad(ビッグサンダーマウンテン レールロード)」。
「railroad」は「鉄道」の意味です。
テーマランドはFrontierland(フロンティアランド)。
このカリフォルニア版における鉱山の町は「Rainbow Ridge(レインボーリッジ)」という名前で、アトラクションではその町並みを見ることができます。
ちなみに自然災害として大地震が起こったというストーリーがありましたが、うやむやになって今やもう無いものと考えられます。
フロリダ版
1980年にオープン。
アトラクション名はカリフォルニア版と同じで「Big Thunder Mountain Railroad」。
テーマランドも同じでフロンティアランド。
鉱山の町の名は「Tumbleweed(タンブルウィード)」。
タンブルウィードとは、西部劇などで良く見る回転草のことです。
タンブルウィードはかつて大洪水に見舞われた過去があります。 おかげでタンブルウィードはすっかり水びたし!
そんなことがあって、山の仲間たちはこの山を「スプラッシュマウンテン」と呼ぶようになったんじゃ。(大嘘)
アトラクションではタンブルウィードの町並みを見ることができますが、確かに町が水びたしになっていることが分かります。
洪水によってほとんどの住民がタンブルウィードから去りましたが、今でもなぜか住み続ける人は数人いて、彼らのこともアトラクションで確認することができます。
しかも2013年のリニューアルで更なるバックストーリーが追加されました!
Barnabas T. Bullion(バーナバス T.ブリオン)という男が採掘会社「ビッグサンダー・マイニングカンパニー」を設立し、再び金の採掘を開始した。
ブリオンはアメリカ東部の裕福な家系の出身。
彼の姓「Bullion」は英語で「金塊」を意味することから、彼は金を採ることを自分の天命のように考えていた。
ブリオンは着々と採掘作業を進めていったが、やはり山で奇妙な出来事が起こり始めていた。
なんて盛りだくさんなストーリーなんでしょう。羨ましい。
東京版
1987年オープン。
アトラクション名はご存知「ビッグサンダー・マウンテン」。以前までのバージョンと比べてrailroadが抜けましたね。
テーマランドはウエスタンランド。
※他の国のフロンティアランドにあたる。
Frontierには「西部未開拓地」の意味が込められているが、日本語ではなじみが無いためウエスタンランドという名前にしたそうな。
さて、鉱山の町についてなんですが、東京版だけは多分それが存在しません。
と言うのも、乗っていてそれらしい町並みが見当たらないのです。
次に紹介するパリ版のように、ウエスタンランドの一部が鉱山の町という可能性もありますが、そうだとしても町の名前が不明なんですよねえ…。
また自然災害については、うわさによれば津波に襲われたというストーリーがあるとか無いとか。
しかしそれらしい痕跡や裏付けがとれないのでちょっと怪しいです。
鉱山の町と津波の件について何かご存知の方いたら教えて下さい。東京版にだけオリジナル要素が何も無いとか悲しいなあ。
パリ版
1992年オープン。
アトラクション名は東京版の流れを受けてか、railroadが抜けた「Big Thunder Mountain」。
テーマランドは例によってフロンティアランド。
さて、パリ版のバックストーリーは他と比べて少々特殊で、とても面白いです。
アメリカ西部のある土地にビッグサンダーマウンテンという鉱山があった。
その土地の部族たちに伝えられる伝説によると、山はThunderbird(サンダーバード)という精霊に守られていて、もし山を荒らすようなことがあればサンダーバードの羽ばたきが大地を揺らし地割れを起こすという。
19世紀にこの土地にたどり着いた開拓者たちがビッグサンダーマウンテンで金脈を発見してから、この土地には金を狙う大勢の開拓者たちが押し寄せた。
そして1849年、この土地にThunder Mesa(サンダーメサ)という町が誕生した。
当然だが、開拓者たちは先住民たちが警告するサンダーバードの伝説など信じていなかった。
ビッグサンダーマウンテンで金の採掘を取り仕切っていたのはHenry Ravenswood(ヘンリーレイヴンズウッド)という男だった。
彼は採掘会社「Thunder Mesa Mining Company」を設立して採掘を取り仕切り、莫大な富を得ていた。
後に彼はサンダーメサの町を見渡せる小高い丘に豪邸を建て、そこで妻のMartha(マーサ)と娘のMelanie(メラニー)と共に暮らしていた。
ヘンリーは娘メラニーのことを溺愛していたため、娘の婚約者Jake Evans(ジェイクエバンス)が結婚後に娘を連れてサンダーメサを出ようとしていることを聞いて激怒し、ヘンリーはなんとか結婚を阻止したいと考えていた。
しかしそんなヘンリー以上に激怒している山の精霊がいた。
1860年、伝説通りついに大地震が起こった。
この地震でヘンリーと妻は死亡、金脈もガレキの下に埋まってしまった。
メラニーにとっては両親の死は悲劇であったが、皮肉にもこれで結婚に反対する人はいなくなった。
しかしある日、婚約者のジェイクが突然失踪した。
メラニーは邸宅の中で彼の帰りを待ち続け、ウェディングドレスを着たままで邸宅の中をさまよい続けている…。
噂では、死亡したヘンリーがファントムとなってジェイクを殺し、娘が出て行かないように邸宅の中に閉じ込めて続けているのだという。
そのうち、レイヴンズウッドの邸宅はPhantom Manor[ファントムマナー](幽霊の館)と呼ばれ、恐れられるようになった。
このままアトラクション「ファントムマナー」のバックストーリーに繋がっていきます。
パリ版のホーンテッドマンションですね。
ちなみに他のバージョンにおいて鉱山の町はビッグサンダーマウンテンの敷地内にありましたが、パリ版では鉱山の町サンダーメサはフロンティアランド全体に広がっています。
ダイナマイトシーンの追加は?
3回目の巻き上げが行われるトンネルでのシーン、ここは本来は地盤が不安定なシーンでした。
ご存知の方も多いかと思いますが、以前は壁の岩が揺れ動き頭上で岩が落下するという演出があったのです。
しかし2011年にパリ版で事故が起きたことで、全てのバージョンからこの演出が取り除かれました。
その代わりに、カリフォルニア版では2014年3月に、パリ版では2016年12月にダイナマイトのシーンが導入されました。
ライドの途中で登場するダイナマイトをくわえたヤギに関連付けて、「ヤギがダイナマイトを噛んだせいで大爆発が起きる」というストーリーになっています。
フロリダ版への導入も時間の問題ではないでしょうか。 東京版はわかんないですけど。
東京の「置いてけぼり感」
こうやって比較してみると、なんだか東京だけリニューアル全然してなくて、「置いてけぼり感」が否めない気がしません?
これはビッグサンダーに限ったことではなく、ホーンテッドマンションとかについても言えることですが。
ここで一発、何かしらリニューアルとかしてくれないものでしょうか。
おまけ:香港のビッググリズリーマウンテン
実は香港ディズニーランドにも、ビッグサンダーマウンテンから派生したアトラクション「Big Grizzly Mountain Runaway Mine Cars(ビッググリズリーマウンテン ラナウェイ マインカー)」があります。
2012年オープン。
ストーリーもビッグサンダーマウンテンに似たものとなっています。
ビッググリズリーマウンテンの付近に住むCaptain Cosgrove(キャプテン コスグローブ)は、ある日3匹のグリズリーが岩壁に背中を擦りつけているのを目撃した。
3匹が去った後、彼はその岩壁がうっすらと輝いていることに気づいた。
なんとグリズリーたちの擦りつけによって岩が削れて金が出てきていたのだ!
この山が金鉱であることに気づいたコスグローブは、すぐに山の所有権を申請した。 そして金の採掘会社Big Grizzly Mountain Mining Company(ビッググリズリーマウンテン マイニングカンパニー)を設立し、金の採掘を開始したのだった。
これで世界の6つのディズニーリゾートのうち、5つにビッグサンダー系のアトラクションがあることになりますね。 最後の1つ上海ディズニーリゾートにもそのうち何か作って欲しいです。
コメント
東京だけ薄いんですか笑
確かにBGSに繋がりそうな物が
アトラク内であまりないですね。
海外が羨ましい……
ほんと羨ましいです…!
たしか、東京のビックサンダーマウンテンには特に災害などなく、 採掘にダイナマイトを使ってしまいそれに怒った?ビックサンダーマウンテンの霊がいるらしく無人で走る汽車になったと聞いています!たまに空洞から霊の声が聞こえるだか聞こえないだか←説明下手で申し訳ございません!
そんな話があるのですね~!詳しく調べてみます。コメントありがとうございます!
ビッグはリニューアルしなくていい